プロデュース企画 2023|EP.9 田中奏一朗 レッスン①(平山さん)
ディミヌエンドの位置に「騙されない」── 田中奏一朗が説く、和声の重力とエネルギー
1周目の最後、田中奏一朗のレッスン。平山さんのフェルリングは全体の流れをよく捉えていたが、田中が指摘したのはフレーズ終わりのディミヌエンドのタイミング。楽譜の記号の位置と、音楽が本当に持つエネルギーは必ずしも一致しない ── 和声の重力という視点。
1周目の最後を締めくくる田中奏一朗のレッスン。平山さんは「ホール全体を響かせられる音を出せるようになりたい」と臨んだ。13番を聴いた田中は、全体の流れをよく捉えた演奏だと評価する。その上で、ある癖に注目した。
ディミヌエンドが「早くなる」もったいなさ
フレーズの最後で、ディミヌエンド(だんだん弱く)が早くなってしまう箇所がある。田中は、それを「もったいない」と指摘する。
[1:24]「ディミヌエンドの位置って難しいところがあって、その通りに感じたりやったりした方がいいところもあれば、それだとちょっと早すぎたりとかするところもあるんだよね」
弱くするのが早すぎると、その後に来る大事な瞬間 ── 和音が変わる瞬間 ── が際立たなくなってしまう。
和声の「またぎ」までエネルギーを保つ
田中が手がかりにしたのは、和声の変化だった。小節をまたぐところに、和音の収まりがある。その直前まではエネルギーを保っていたい。
[4:37]「ドミナントからトニックに行く時の、やっぱり重力の変化っていうところをまたぎの時に大事にしたいんだけど。ドミナントの瞬間が引力があるじゃない? そこに何かこうエネルギーが向かうようなつもりで鳴ると、いいんじゃないかな」
緊張をはらんだ和音(ドミナント)から、安定した和音(トニック)へ向かう ── その引力に向かってエネルギーが集まるように吹く。和音が変わる瞬間を、ディミヌエンドで先に弱めてしまわないこと。
記号の位置 ≠ エネルギーの強さ
田中は、この曲に限らない普遍的な原則として、こう締めくくった。
[4:37]「ディミヌエンドの位置にあんまり騙されない。ディミヌエンドの位置イコール音楽のエネルギーの強さってわけではなかったりするから、そこは見抜けたらいいかな」
楽譜に書かれた強弱記号の位置と、音楽が本当に持っているエネルギーの流れは、必ずしも一致しない。記号をそのまま実行するのではなく、和声の重力を頭の中で捉えながら吹く ── 短いレッスンの中で、楽譜の読み方の本質が示された。
※ この記事は、YouTube で公開されているレッスン動画の内容をもとにAIが編集・再構成したものです。発言は読みやすく整えており、固有名詞や表現が実際と異なる場合があります。正確な内容・ニュアンスは動画でご確認ください。



