プロデュース企画 2021|EP.8 上野耕平 レッスン②

ドビュッシーの「色彩」と、8分の6拍子の壁 ── 上野耕平が見抜いた米山くんの弱点

共演曲ドビュッシーのラプソディ、2人目の講師は上野耕平。曲の背景や色彩感、オーケストラとの呼応といった音楽的な解釈を説く一方で、上野は米山くんの意外な弱点を見抜く ── リズムだった。8分の6拍子とソルフェージュ。本番までに克服すべき課題が浮かび上がった一回。

2回目のレッスン ── 前回の成果と、曲への入り口

上野耕平のレッスンは2回目。前回(1周目)からの3ヶ月で、米山くんは自分なりに変化を重ねてきた。リードをやや硬めに変え、マウスピースを新調し、セッティングを見直したことで音色がふくよかになった ── その成果を、上野はまず認める。

[5:55]まず音良くなったね。前回のレッスンでさ、ひたすら低い音域をどううまく使うかとか、そんな話をしたので、それはまあよくできている

── 上野耕平

ここから、共演曲であるドビュッシーのラプソディのレッスンに入っていく。

曲の背景 ── 幻想的な冒頭をどう吹くか

上野はまず、この曲の成り立ちと冒頭の性格を説明する。サックスのために書かれたこの作品は、エリザ・ホール夫人の委嘱によって生まれた。冒頭には ad lib(自由に)の指示があり、幻想的に湧き上がるように始まる。

[8:00]オーケストラが一緒に入ってくるのが練習番号1。それまでのこの2段というのは、たった一人なわけだから、「もうあなたの時間です」っていうのを踏まえて、頭をもう一回振ってもらおう

── 上野耕平

オーケストラが入るのは練習番号1から。それまでの冒頭2段は、独奏者ただ一人の時間 ── その自覚を持って吹くだけで、説得力がまるで変わると上野は言う。静かなところから湧き上がる、最初のファの音の出方から、丁寧に作り直していった。

オーケストラとの呼応 ── 手元で色彩が変わる喜び

独奏とはいえ、サックスは孤立しているわけではない。冒頭でもホルンの音形が下がっていき、サックスがじんわりと広がる ── その呼応を、一人で吹くときにも感じる必要がある。

[9:27]小節をまたぐときに、変化を楽しむ時間を作ってもらう。自分でこの手元で色彩感が変わる、なんとも言えない喜びってあるわけよ。この時間が欲しいんだよね

── 上野耕平

ハーモニーを自分で弾く ── 半音で変わる景色

色彩感を理解するために、上野は米山くんに、ピアノでハーモニーを自分で弾いてみることを勧める。どこでどんな色に変わるかを知るだけで、同じ音型でも景色が違って見えてくる。

[11:25]音型は一緒なんだけど、明らかに景色が変わっているからね。半音で上がってくるの、階段を登ってくるっていうのを意識するだけで

── 上野耕平

「こだわり」を持つ ── 音源を聴き、好きを見つける

上野は、ドビュッシーの他の作品やオーケストラ音源を数多く聴くことを勧める。ドビュッシー特有の色彩感、オーケストレーション、トランペットのミュートの使い方 ── 自分の好きなポイントを見つけることで、この曲へのこだわりが生まれる。

[12:39]こだわりがないとダメだから。だって1月9日、みんなの前で吹くわけでしょ。プロになるってそういうことなんだよ。こだわりなくて、ただ吹いているような人は、もう飽きられちゃう

── 上野耕平

意外な弱点 ── 8分の6拍子のリズム

音楽的な解釈を進めるうちに、上野は米山くんの意外な弱点に気づく。リズムだった。この曲は8分の6拍子。その拍子感がうまく取れていない。

[14:33]1拍目をしっかり感じないと。拍子が全然感じられてないな。そのアウフタクトがダメなんだ

── 上野耕平

2拍目に突っ込んでしまい、1拍目を感じきれていない。さらに、3連符と2連符の区別も曖昧だった。「8分の6が苦手ということが判明した」── オーディションでは立派に吹いていただけに、上野にとっても意外な発見だった。

リズムの克服法 ── 分解と、歩きながら

上野は、具体的な練習法を示す。まず、ゆっくりだけでなく、速いテンポでもリズムを変えて練習すること。次に、音符のまとまりごとに分解して練習すること。

[16:43]練習の仕方ってこうやって分解した方が近道なんだよ。絶対すぐできるようになるから。そんなに難しいフレーズではないから

── 上野耕平

そして上野が強く勧めたのが、歩きながら8分の6拍子を体に染み込ませる練習だった。ちょうど歩くくらいのペースで足踏みをしながら歌う ── 本来自分の中で感じるべきリズムと、楽器を吹いたときに出るリズムがずれている。そのギャップを、体を使って埋めていく。

[21:16]帰る時もそうやって帰ってください。ちょうど歩くぐらいのペースじゃん。足踏みしながらやってごらん、足踏みしながら歌ってごらん

── 上野耕平

受講生の振り返り ── ソルフェージュの自覚

レッスンを終え、米山くんが口にしたのは、自分のソルフェージュ能力への反省だった。

[28:58]ソルフェージュがなさすぎるなと。また反省してしまった

── 米山くん

学校のソルフェージュの成績は「とても悪い」と笑う米山くん。だが弱点が明確になったことは、本番に向けた前進でもある。「作曲家の曲はリズムがややこしいものばかりだから、弱点を直すいい機会」── 上野はそう言い添えた。本番まで残り2ヶ月あまり。次のレッスンへと課題は引き継がれていく。

※ この記事は、YouTube で公開されているレッスン動画の内容をもとにAIが編集・再構成したものです。発言は読みやすく整えており、固有名詞や表現が実際と異なる場合があります。正確な内容・ニュアンスは動画でご確認ください。

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