プロデュース企画 2023|EP.19 田中奏一朗 レッスン②(平山さん)
「スモーキー」に吹く ── 田中奏一朗が説く、ジャジーな曲のノリと山場の作り方
共演曲の第2楽章レッスン。ジャジーでルーズなノリを持つこの曲を、田中奏一朗はドラムのブラシ奏法に喩えて解きほぐす。拍を重く掴みすぎないこと、そして山場(13番)に向けてエネルギーを「取っておく」ための、控えめでスモーキーな冒頭の作り方。
共演曲の第2楽章、カデンツァの前まで。田中奏一朗が注目したのは、この曲が持つジャジーでルーズなノリだった。三連符の感じやピアノの入り方に、ジャズの空気がある。平山さんの演奏は、その拍をすべてしっかり掴みすぎていた。
ドラムの「ブラシ」のように ── 拍を重くしない
田中は、ドラムのスティックとブラシ(細い金属の束で擦るように叩く奏法)の違いを引き合いに出す。スティックが拍をくっきり出すのに対し、ブラシは拍の頭がぼやける。
[5:11]「あんまり拍を重く感じすぎずにやってみたらいいんじゃないかな。1小節目から4小節目の頭までをまとめて歌うというか」
一拍ずつしっかり掴むのではなく、複数の小節をひとつのフレーズとしてまとめて歌う。拍の輪郭をあえてぼかすことで、ジャジーなルーズさが生まれる。
冒頭は「スモーキー」に ── 山場のために取っておく
この曲は、ある一点(13番)の山に向けてじわじわ積み重なり、そこを越えて減衰していく「富士山型」の構成だと田中は捉える。だからこそ、冒頭で吹きすぎてはいけない。田中は、独自のイメージを語る。
[7:02]「すごいバーの汚いっていうか、タバコの煙がたまってて、奥の人見えにくいみたいな、そういうスモーキーな雰囲気っていうのを最初に感じるんだよね」
冒頭の数フレーズは、はっきりした音ではなく「半分かすれていてもいいぐらい」のつもりで。息のノイズが多くても、かえって面白い。低い音から始まるので、しっかり吹きたくなる気持ちは分かるが ── そこをあえて抑える。
「方向性」がありすぎる ── 控えめに始める
フェルリングのレッスンを通して、平山さんは「方向性」を繰り返し学んできた。だがこの曲では、逆に方向性がありすぎる、と田中は指摘する。
[9:43]「毎度毎度全部向かってる感じがして。そうすると聞いてる側はお腹いっぱいっていうか、エネルギーに慣れちゃってる耳になっちゃうんだよね。そうすると、これも13番っていうのが全然輝かなくなる」
冒頭からすべてのフレーズに強い方向性をつけると、聴き手はエネルギーに慣れてしまい、本当の山場が際立たなくなる。最初は控えめに ── 「バーの奥に座っているおじさんがボソボソ言っているぐらい」のイメージで。本当に聴かせたい13番のために、エネルギーを取っておく設計だった。
※ この記事は、YouTube で公開されているレッスン動画の内容をもとにAIが編集・再構成したものです。発言は読みやすく整えており、固有名詞や表現が実際と異なる場合があります。正確な内容・ニュアンスは動画でご確認ください。



