プロデュース企画 2022|EP.2 上野耕平 レッスン①
「のっぺらぼう」と平坦は違う ── 上野耕平が中学3年生に説く、半音とフレーズの方向性
2022年シリーズの受講生は、中学3年生の紺野さん。初回の上野耕平レッスンで持参したのはフェルリングのエチュード1番。「楽器を無駄なく鳴らせている」と上野が驚く演奏に対し、課題となったのは『一音ずつ歌いすぎる』こと ── 半音の引力と、すべての音に宿る方向性を解いていく。
初めてのレッスン ── 中学3年生の挑戦
2022年シリーズの受講生は、中学3年生の紺野さん。初回の講師は上野耕平。緊張気味の紺野さんが持参したのは、フェルリング48エチュードの1番だった。技術的なことは普段の先生に教われるので、上野には音楽的なこと ── フレーズ感を学びたい、と語る。中学3年生とは思えない明確な目的意識だった。
「楽器を無駄なく鳴らせている」
演奏を聴いた上野の第一声は、強い肯定だった。
[7:09]「何が良いって、楽器が無理なく鳴っているのがとっても良いです。リードを殺すこともしてないし、そういう基本的なところはもうそのまんまやっていってください。何も直すところはないように、現時点では感じます」
小学4年から吹奏楽で吹いてきたという紺野さん。リードを無理に締め付けず、楽器が素直に鳴っている ── その土台を、上野はそのまま伸ばすよう促した。
一音ずつ「歌いすぎない」── フレーズは1本のライン
上野が唯一気にしたのは、一つ一つの音で音楽をしてしまっていることだった。
[7:55]「1個1個丁寧にやろうとしすぎなのかもね。そこまで1つのラインですよね。なので、1個の音域で取ろうとしてごらん。終止形をちょっと見つめてごらんよ」
紺野さんは、このフレーズを「平坦にしたい」と語った。だが上野は、そこに区別を持ち込む。
[9:01]「のっぺらぼうと平坦はちょっと違うからな」
平坦に聞かせたいフレーズであっても、表情のない「のっぺらぼう」になってはいけない。その違いを生むのが、半音の扱いだった。
半音は「次に行きたくなる」── すべての音に方向性がある
上野は、音階の中の半音関係に注目させる。ミとファ、シとド ── この半音には、強い推進力があるという。
[12:45]「半音っていうのは、次の音に行きたくなるんだよね。シからドに行く、この半音ってめっちゃエネルギッシュなんですよ」
そして上野は、より根本的な原則を示す。紺野さんの演奏では、伸ばす音が「ステイ(停滞)」してしまっていた。
[13:39]「必ず音って絶対方向性があるから、どこかに向かったりブレーキがかかったり、絶対してるんです。ステイするっていうことは、まあほぼないと思ってください。すべての音に方向性と意味がある」
冒頭のミの2分音符も、本来はクレッシェンドして次へ向かっている。そこにステイしてしまうと、フレーズが立ち上がらない。半音の引力と音の方向性を意識することで、紺野さんの演奏は「音楽的にとても良くなった」と上野は評した。
響きの3種類と「息の送り方」── プロの領域へ
技術的な話題として、上野はファからシに降りる箇所を取り上げる。サクソフォンには、大きく分けて3つの響きの領域があるという。紺野さんは、その境目を「オクターブキーを押すかどうか」で分けた。それは正解の一つ ── だが上野は、もう一段深い答えを示す。
[15:52]「息の送り方を変えたほうがいいんですね。プロの音です、それが。実はプロでもできてない人がたくさんいるんですよ。そこにこだわってごらん」
音域の境目で、運指だけでなく息の送り方そのものを変える ── プロでも徹底できていない領域に、上野は中学3年生をいざなった。
受講生の振り返り ── ブレスという課題
レッスンを終えた紺野さんは、教わりたいと思っていたフレーズ感だけでなく、それ以上のものを学べたと振り返る。レッスンの途中、出身地の話で緊張がほぐれ、終わる頃にはすっかり場に慣れていた。そして見えてきた次の課題は、ブレスだった。
[17:39]「ブレスが浅いっていう話が出てきて、それはちょっとこれからどんどんトレーニングしていかないといけないかなって思いました」
上野も、紺野さんの素直さと勘の良さを評価する。「固まらず、柔軟性を持って取り組めれば、ぐんぐん伸びる」── 1周目の最初のレッスンは、確かな手応えとともに幕を閉じた。
※ この記事は、YouTube で公開されているレッスン動画の内容をもとにAIが編集・再構成したものです。発言は読みやすく整えており、固有名詞や表現が実際と異なる場合があります。正確な内容・ニュアンスは動画でご確認ください。



