プロデュース企画 2022|EP.4 宮越悠貴 レッスン①
「ドミナントは支配」── 宮越悠貴が、楽典を音楽に結びつけるレッスン
本来は田中の予定だったが、急遽の交代で宮越悠貴が登板。課題はフェルリングの5番。この回で宮越が紺野さんに伝えたのは、和声の知識が音楽表現にどう結びつくか ── 「音符一つ一つの価値が違って見えてくる」という、楽典と演奏の橋渡しだった。
急遽の交代 ── 3回目のレッスン
この日は本来、田中のレッスンの予定だった。だが田中がぎっくり腰になり、急遽順番を繰り上げて宮越悠貴が担当することに。中学3年生・受験期の紺野さんにとって3回目のレッスンとなる。前回の都築レッスンで学んだ発音の繊細さ ── 小さく入るときに舌を強くつけすぎない、高音のクレッシェンドできつい音にしない ── を意識して練習してきたという。
トリルと装飾音の精度
課題はフェルリングの5番。演奏を聴いた宮越は、まず装飾的な音の処理に注目する。
[5:12]「そのトリルと装飾のところはちょっと気をつけてね。だいたいトリルと装飾の時は、同じ音価ぐらいの方がいいっちゃいいから」
装飾音が遅くなると、装飾としての役割を失ってしまう。トリルと装飾音の音価をそろえる意識が、フレーズの輪郭を保つ。
同じ音形を「人間らしく」変化させる
同じ音形が倍のテンポで繰り返される箇所では、変化のつけ方が課題になった。
[6:50]「同じ音形だけど変わっていってるよね。それがずっと同じだと、あんま人間らしくないかな」
下に流れるラインを意識し、そこに向かってフレーズを運ぶ。機械的な反復ではなく、変化を伴った音楽にすることを宮越は求めた。
和声を知る ── 音符に「役割」がある
この回の核心は、和声(楽典)の話だった。宮越は、フレーズの中の特定の音を取り上げ、その音が和声的にどんな役割を持つかを紺野さんに問いかけていく。ウェイトのかかった音(倚音)が、解放される ── そうした和声の動きを意識することで、音の扱いが変わる。
[8:42]「しっかりウェイトがかかったもの、グッて押し付けたものが解放される、っていう意識を持たないといけないよね」
紺野さんが「まだ楽典の勉強が足りていない」と漏らすと、宮越は「自分もその頃はそうだった、全然わかってなかった」と応じる。今すぐ完全に理解する必要はない。話として聞いておくだけでも、後で「どういうことか」と生かせる時が来る ── そう励ました。
ドミナントは「支配」── ウェイトと解放
宮越は、ドミナント(属和音)という言葉の意味にも触れる。
[10:38]「ドミナントっていう言葉の日本語に直した意味って、確か支配って意味だった。支配されてたものが解放される、みたいな風な意味」
緊張をはらんだ和音から、安定した和音へと解決していく ── その「支配からの解放」を音で表現する。ウェイトのかかる音の前をどう吹くか、その流れを予測して演奏することで、解決の瞬間が際立つ。
理論が「音符の価値」を変える
なぜ和声を学ぶのか。宮越は、その意義を率直に語る。
[15:20]「一つ一つ音符の価値っていうのが全然違って見えてくるから、そういうアプローチもあるっていうのをちょっと覚えておくといいかな」
サックスのオリジナル曲は和声的に分析しにくいものが多い。だからこそ、フェルリングのような素材で楽典と音楽の結びつきを経験しておくと、今後の役に立つ ── 宮越自身、かつては「知らなくても楽器は吹ける」と思っていたが、知っていた方が楽しいし、音符の見え方が変わると語った。最後に、フレーズが終わった後も緊張の糸をすぐに切らないこと ── 余韻まで含めて意外と見られている、という細部への注意も添えた。
受講生の振り返り ── 楽典への気づき
レッスンを終えた紺野さんは、これまで気にしていなかった視点を得たと振り返る。
[16:50]「今まで全然気にしてなかったところで、この曲の音の配置はこうなんだよとか。私の楽典の勉強不足っていうところもちょっとあるんですけど、これからそういうところも気にしながら譜読みとかできたらいいのかな」
上野・都築のレッスンで教わったことを「真面目にやろうとしすぎて、よくわからなくなってしまった」部分もあると正直に語る紺野さん。それらを自分の中で整理しながら、次の田中のレッスンへと進んでいく。
※ この記事は、YouTube で公開されているレッスン動画の内容をもとにAIが編集・再構成したものです。発言は読みやすく整えており、固有名詞や表現が実際と異なる場合があります。正確な内容・ニュアンスは動画でご確認ください。



