プロデュース企画 2021|EP.5 田中奏一朗 レッスン①

「縦に広い空間」で吹く ── 田中奏一朗が説く、響き・スタッカート・音の方向性

1周目の最後を締めくくる4人目の講師は田中奏一朗。「挨拶がわりに一緒にロングトーンをする」ところから始まったこの回では、縦に広い空間での響きの作り方から、跳ね上がるスタッカート、そして「点と点を繋ぐ線」としての音の方向性まで ── 米山くんが課題に挙げた『息』に深く関わる指導が展開された。

4人目のレッスン ── 「アルトの音を聴いてみたい」

上野・宮越・都築に続く4人目、そして1周目の最後を締めくくるのが田中奏一朗のレッスン。これまでの3回を経て、米山くんが自分の課題に挙げたのは「息をもっと楽器に入れないといけない」ことだった。そして田中に対しては、もう一つの興味があった。

[1:03]バリトンの演奏しか聞いたことなくて、アルトの音をまだ聞いたことがない。普通に、そもそもアルトでどうやって吹いてるんだろうみたいなところ

── 米山くん

挨拶がわりのロングトーン ── 「天井が高い音」

田中のレッスンは、一緒にロングトーンを吹くところから始まる。その音を聴いて、田中はまず音色の方向を示した。

[2:26]ちょっと音色が縦に潰れちゃってるような感じがするので、縦の広い空間を意識して、天井が高い音を意識してやりましょう

── 田中奏一朗

響きをつけるには、縦の空間を意識し、横に息がはみ出さないようにする ── 「縦に広く」。これが田中の音作りの起点だった。

広いホールを想定して吹く

響きの作り方には、空間の想定が関わってくる。狭い部屋で練習していると、自分の周りは響きで満ちているのに音が飛んでいない、という状態に陥りやすい。

[4:08]広いところで吹いているようなつもりで、向こうの方で響きを作るような、遠くの音を聞いているような意識でやってみましょう

── 田中奏一朗

うまくいった時とそうでない時で、自分の体や息の方向、アンブシュアの支えがどう変わっているか ── いい時の感覚を覚え、うまくいかない時にどこが悪いかを自分で考えること。田中はそうした自己観察を促した。

スケールは「上から下まで響きを統一」

スケールでは、音域による響きのムラが指摘された。中音域はうまく響かせられているが、高音域が狭く、低音域はやや重い。さらに、吹き始めの瞬間に喉が閉じる癖があった。

[5:31]吹き始める瞬間に閉じる癖があるんだよね。それはすごく良くないことだから。歌ってる時とやっぱり一緒になったほうがいいな。今、あーみたいな、そういう喉の状態になったよね

── 田中奏一朗

歌うときの開いた喉の状態を、楽器を吹くときにも保つこと。田中はまた、詰まりすぎないマウスピースを選ぶことも一案として挙げた。

スタッカートは「跳ね上がる」── 2種類をミックスする

米山くんのスタッカートは「タッ、タッ」と区切る性格が強かった。田中は、もう少し跳ねる性格を求める。

[7:11]区切る感じのスタッカートになっているんだけど、もう少し上の跳ね具合。お尻から跳ね上がるような、そういうスタッカートできるかな

── 田中奏一朗

スタッカートのときこそお腹でしっかり支えること、舌を離した瞬間の息のスピード感が重要だと田中は言う。その上で、スタッカートには2種類あり、それをミックスすることを勧めた。

[8:50]軸は今のタッタッってやつなんだけど、それだけだと羽が少なくなるというか。曲で使われるスタッカートっていろんなニュアンスがあるのね。それを変化させるためには、2つのスタッカートの配分が大事

── 田中奏一朗

エチュード ── 弱音でも息はたっぷり

エチュード(9番・10番、espressivo=表現豊かに)では、弱音の扱いが課題になった。ピアノの指示を見ると、息の量まで細くなってしまう。

[10:25]ピアノってその雰囲気の話で、まあ音量の話でもあるんだけど、用意する息はいつも通りたっぷり。ピアノピアノって意識しすぎちゃうと、入っていく息が細くなりすぎちゃって、準備する息も少なくなる

── 田中奏一朗

音楽は「点と点の間」に存在する

この回で田中が最も時間をかけたのが、「音の方向性」だった。動いている音では向かう先が聞こえるが、音を伸ばしているときに方向性が曖昧になりがちだ、と。

[15:05]楽譜って音符で書かれてて、音符って点じゃない? 点で書かれてるんだけど、音楽っていうのはその点と次の点の間に存在するんだよね。伸ばしている音の時に方向性を示すには、点と点を繋いでいる線を感じるっていうのが大事

── 田中奏一朗

その手がかりとして田中が示したのが、伸ばす音を8分音符単位で刻んで吹く練習だった。こうすると、伸ばしている音の「中身」が見え、方向性を見つけやすくなる。ゆっくりな曲、特に短調の曲がしんどく感じるのは、伸ばす音の方向性を見つけられず、時間が過ぎるのが遅く感じるからだ ── と田中は説明する。

テンポの移り変わりは「3ヶ月、意識し続ける」

エネルギーが動くのに時間がかかるところ、跳躍が多いところ、冒頭のフレーズに戻るところ ── そうした箇所では、楽譜に書かれていなくてもテンポの移り変わりを意識した方がいい、と田中は言う。

[18:00]急にはやっぱりそういうのって治らないから、3ヶ月意識し続けたら無意識にできるようになると思う

── 田中奏一朗

ロングトーンやスケールで良い音を出していたときの体の使い方を、曲でもキープする ── 本番までの残り期間、意識的に続けることで身につく、という見通しだった。

受講生の振り返り ── 1周目を終えて

これで4人全員のレッスンが一巡した。田中のアルトの吹き方を間近で見て、米山くんの印象に残ったのは、やはり息の使い方だった。「すごく息を使う」── 他のメンバーよりも息を使っている感覚があったという。自身の課題である「息」に直結する学びを得て、1周目が幕を閉じた。

※ この記事は、YouTube で公開されているレッスン動画の内容をもとにAIが編集・再構成したものです。発言は読みやすく整えており、固有名詞や表現が実際と異なる場合があります。正確な内容・ニュアンスは動画でご確認ください。

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