プロデュース企画 2021|EP.3 宮越悠貴 レッスン①
スケールから音楽を立ち上げる ── 宮越悠貴が説く、息の変換・シラブル・スタッカートの2種類
上野レッスンの翌回を担当したのは宮越悠貴。題材はスケールという最も基礎的な素材だが、そこから「息を音に変換するセッティング」「口の中の形(シラブル)」「スタッカートの2つの技術」まで、音楽表現に直結する要素を一つずつ見直していく。受講生・米山くんの2回目のレッスンの記録。
2回目のレッスン ── 基礎を見直す
プロデュース企画の第2回レッスンを担当したのは宮越悠貴。前回の上野レッスンとは打って変わり、この日は基礎的な面を重点的に扱う。題材は米山くんが選んだミュールのスケール。何調から始めるか相談しながら、まずは吹いてみるところからレッスンが始まった。
「息が全部、音に変換されるセッティング」
米山くんのリードはバンドーレン銀箱の3半。前回の上野レッスンで青箱3番から変えたばかりだという。宮越は、その音に気になる点を見つける。
[2:34]「ちょっとやっぱり音が結構ヘビーに聞こえるから、あと息がすごい漏れるよね。それがちょっと気になるポイントかな。なんかもっと息が全部しっかり音に変換されるようなセッティングがいいのかなとは思う」
ただし宮越は、息が漏れること自体を一概に悪いとは言い切らない。「気にしてみてもいいのかな」という提案にとどめつつ、もっと「スパーンと鳴らした」、詰まった感じの音の方向を示した。
息の狙いどころと「シラブル」
詰まった音を出すための具体的な手がかりとして、宮越はまず息を入れる方向を示す。左手の薬指のあたりに向かって息を入れるようなイメージだ。続いて「シラブル」── 楽器を吹いているときの口の中の形について説明する。
[4:11]「普通に吹いているのが「オー」だとしたら、低音に行くにつれて「オー」から「ホー」に変わったり、上の方に行くと「ヒー」に変わってたりするんだけど。例えば「オー」って言ってる時から「ヒー」って言った時、舌の動きってどうなってるか」
母音を変えると舌が上下し、息の通り道が変わる。それを意識的にコントロールすることが、音域ごとの音色につながる。宮越はここで、アンブシュアそのものについても一つの考え方を示した。
[4:33]「アンブシュアはこれって決まりがないから。その音域に合った一番いいと思うアンブシュア、口の中とかも含めて、それを自分の中に染み込ませていくことが大事かな」
音量は「威圧感」── 1人で4人と渡り合うために
宮越は、本番の編成 ── 米山くんが1人で、REVのメンバー4人を相手に吹く ── を念頭に、音量の重要性を強調する。狭い部屋では多少キンキンしたりバサバサしても構わない。問題はホールでどう聞こえるかだ。
[5:20]「音量でかければ、それだけで聞いてる人に威圧感を与えられるから。「この人すごい」って思わせるのの大きな要因の一つが音量だから、そこはトレーニングしてった方がいい」
音のリリースと跳躍
ロングトーンを聴いた宮越は、音の終わり方にも触れる。音を切るとき、たまにパッと途切れてしまうのが「もったいない」── なるべく綺麗にリリースすることを促した。さらに跳躍については、オクターブキーを押さない音と押す音の差を意識すること。その差が際立たないと「垢抜けない感じ」になる、と指摘する。
スタッカートには2つの技術がある
米山くんはスタッカートを「音と音を分ける、セパレートする」感覚で捉えていた。宮越はその考え方を「すごくいい」と肯定した上で、技術的な区別を提示する。
[8:00]「サックスだったら、息で切るパターンと舌で切るパターン。息で切るって言ったら、絶対に速いのはできないよね。だから、そういうシチュエーションによって舌で切る・息で切るっていう2つの中からどっちかを選んで、その中から細分化されたそれぞれに合った表現を選んでいく」
重要なのは、今どちらを使っているのかを明確にすること。それを曖昧にしたままだと、一種類のスタッカートしかできなくなってしまう ── というのが宮越の指摘だった。
「スイッチを押したら電気が点く」発音
発音についても、宮越は明快なイメージで説明する。息を入れ始めてから舌を突くのではない。
[10:00]「壁にあるスイッチをブンって押したら電気が点くみたいなもんよ。このタイミングで音を出しますっていう時に、一番正確なのはそのやり方」
狙ったタイミングで過不足なく音を立ち上げる、クリアな発音。それをまず一つ身につけることを宮越は勧めた。
指は「距離」ではなく「速度」にこだわる
最後の話題は運指。米山くんは「指が離れないように」意識していた。キーから指が離れる距離(ストローク)を小さくするためだ。宮越はその意図を理解しつつ、別の視点を示す。
[11:00]「重要なのは、こことここの距離じゃなくて、この閉じる速度がどれくらいかっていうこと。指を離さないようにするっていうのは、その結果であって。速ければ速いほどいいってわけでもない、ゆっくりだからいいってわけでもない。この速度にこだわることが重要」
「指を離さない」は目的ではなく結果。本質はキーを閉じる速度をコントロールすることにある、という考え方である。
受講生の振り返り ── すんなり進んだ基礎レッスン
この日扱ったスケールの教本は、一つの調をすべて終えることができた。米山くんは、前回の上野レッスンとの違いをこう振り返る。
[13:08]「そこまでなんか大きい違いはなかったんですけど、もちろん雰囲気は全然違う感じがするんですけど。2人ともすごい細かいところを言ってくださるんですけど、宮越先生の方が進むのはすんなりいったかな」
短い時間で要点を教え、あとは家で復習する ── そうした宮越のレッスンの進め方も、米山くんの印象に残ったようだ。次回は、いよいよ別のメンバーのレッスンへと続いていく。
※ この記事は、YouTube で公開されているレッスン動画の内容をもとにAIが編集・再構成したものです。発言は読みやすく整えており、固有名詞や表現が実際と異なる場合があります。正確な内容・ニュアンスは動画でご確認ください。



