プロデュース企画 2022|EP.9 上野耕平 レッスン②

ブレスは「食い気味」に ── 上野耕平が説く、フレーズを前へ進める力

本番まで1ヶ月。共演曲トマジのバラードを、初めて最後まで通したレッスン。長く付きまとってきた「音の方向性」という課題に、上野耕平はブレスの取り方から切り込む。フレーズを前へ進めるための「食い気味」のブレス、そしてシンコペーションが持つ推進力 ── 本番に向けた仕上げの一回。

本番1ヶ月前 ── 初めて最後まで通す

本番まで残り1ヶ月。上野耕平の2回目のレッスンは、共演曲トマジのバラードを通すことから始まった。紺野さんがずっと抱えてきた課題は「音の方向性」── 多くの先生に、そしてこの企画でも何度も指摘されてきた点だ。今回こそ、それを直したい。上野が前回コンサートでこの曲を演奏したのを聴いて「伝わってくるものがあった」というのが、紺野さんの動機だった。

音は良くなった ── 次は「フレーズ全体」の方向

冒頭を聴いた上野は、まず成長を認める。

[4:42]音自体の方向性は、だんだん見えつつあるんですよ。でも、フレーズ全体でこう上がって降りて、登って降りてっていうのがまだちょっと見えにくいですね

── 上野耕平

一音ごとの方向性は出てきた。次の段階は、フレーズ全体としての起伏だ。上野は、伴奏(ハープやチェロ)が動きを持っていることを示し、その上でメロディを歌う以上、ステイ(停滞)しているわけにはいかない、と説く。

ブレスは「先取り」── 食い気味に入る

音楽が止まってしまう原因は、ブレスにあった。息を吸う場所で、音楽が一度停止してしまっている。

[6:20]ブレスをするときは、ちょっと先取りするようなイメージでやらないと、音楽が進んでいかなくなっちゃいます。クレッシェンドと同時に、その先取りをもっともっと先に、もっと先にっていう風にしてごらん

── 上野耕平

盛り上がる箇所では、クレッシェンドに応じてブレスもだんだん「食い気味」にしていく。次のアウフタクトを掴みに行くような感覚で吸うことで、フレーズがどんどん繋がっていく。

本番では、後ろにREVのメンバー4人がいる。その4人を引っ張らなければならない場面で、ブレスでゆったりしてしまうと、高ぶっていくテンションが一度ごとに落ちてしまう ── だからこそ、感情が高まる箇所のブレスは食い気味に、と上野は繰り返した。

伸ばす音にも「リズム」を持つ

音を伸ばしている箇所では、リラックスして音楽が落ちてしまいがちだ。上野は、伸ばす音の中にも内的なリズムを持つよう求める。

[9:03]伸ばしている時こそ、タンタンタンっていうリズムを自分で持っておかなければいけない。特に後ろが結構複雑なリズムだから

── 上野耕平

そして上野は、覚えておくべき原則を一つ授ける ── シンコペーションは「進む」ということ。

[10:00]シンコペーションがあったら音楽が進みます。後ろに行くことはまあ基本ない。絶対進もうとしてるでしょ、音楽が。これ覚えておくといいですよ

── 上野耕平

盛り上がりは「音色」を変える

後半、メゾフォルテへ向かって音楽が高まり、音域も上がっていく箇所。上野は、何を変えればその高まりが伝わるかを紺野さんに問いかける。音量、テンポ ── それだけでは「早く大きくなっているだけ」。もう一つ大きく変えられるものとして、上野が引き出した答えは発音、そして音色だった。

[13:44]発音が変わると、何が変わっているように聞こえる? ── 音色。そうです。音色を変えてください

── 上野耕平

音量・テンポ・発音(音色)を総動員して、フレーズの高まりを作る。短いスパンでかけ上がる箇所では、勇気を持ってガンガン行くこと ── メトロノームに縛られず、テンポが揺れてもいい、と上野は背中を押した。

受講生の振り返り ── 「タンギングするか、しないか」

初めて曲を最後まで通せたこのレッスン。紺野さんは、技術だけでなく曲のイメージや場面の捉え方を学べたと振り返る。一方で、前回の都築レッスンとの「違い」にも気づいた。

[15:50]スラーがある中でアクセントがあるところで、タンギングをした方がアクセントがもう少し前に出るっていうのを聞いて「確かに」と思ったんですけど、今日の上野さんのレッスンでは「そこはタンギングしない方がいいんじゃない」ってなって、それでも「確かに」となった

── 紺野さん

講師によって異なる選択肢が示される ── どちらを取るかは、自分で研究して決めること。上野もレッスン後、中学3年生の伸びの速さに驚きつつ、「難しいと思っていないから無敵」「どんどん高い理想に行った方がいい」と、その可能性に期待を寄せた。次はいよいよリハーサル。本番の舞台が近づいていた。

※ この記事は、YouTube で公開されているレッスン動画の内容をもとにAIが編集・再構成したものです。発言は読みやすく整えており、固有名詞や表現が実際と異なる場合があります。正確な内容・ニュアンスは動画でご確認ください。

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